『河童の三平』ISBN:425772126X

河童の三平』ですが、id:automate_tomo:20040430で水木しげるの話題が出たので思い出した。

『縄文少年ヨギ』 ISBN:4480026363るけど、あんまり詳しく覚えていない。ナマコを食べるシーンもあったし、キノコを食べるシーンもあった。他にも髪の毛みたいなものにとり付かれるような話もあった気がするけどうろ覚え。最後は雪が降る季節に、洞窟の中で歌を歌っていたような印象があるがあんまり覚えていない。

さて、『河童の三平』である。けっこう昔に読んだ。水木作品をほとんど読んでいないけど、これは名作だと思う。小人とか魔女見習いとか死神とか河童とかたぬきとかなんか一癖も二癖もあるキャラがたくさん出てくる。

この漫画はギャグ漫画っぽい要素が多い。げんに笑える。でも、この漫画を読んで感じる印象は「とてももの悲しい」というものだ。そんな、もの悲しい世界で人は生きていく。ヒグラシがカナカナなくような、寂しさを持った世界観だと思う。少しずつ喪失しながら生きていくという感覚。諦めとともに前向き(と言っていいのかわからいけど)に生きていく。世界は厳しくて優しい。辛いけど救いがないわけじゃない。・・・うぅっ、書いていたら手元に欲しくなった。図書館で借りて読んだから買っていないのだ。

絵がすばらしい、って言うまでもないかもしれないけど。

生者の世界と死者の世界とはつながっている。それぞれに変える事ができない理(ことわり)がある。そんな世界観。私は死後の世界とか存在しないと思うけど、日本人がイメージする死後ってこういう世界なのかな、って今にして思う。

関係ないけど水木しげるって「御大」って言葉が良く似合う、っていうかこの人ぐらいしか使っていい人を思いつかない。