『さんさん録 2』(こうの史代)

さんさん録 (2) (ACTION COMICS)

さんさん録 (2) (ACTION COMICS)


セリフがないコマ。そういうのに、どれだけ人は時間をかけるのだろう。

セリフがないからこそ、じっくり見つめてしまう。

何気ないしぐさ。朝起きた直後の布団から出る前とかの。そういうのが、とてもよい。


女性の描き方が面白い。苛立ちとかの表現が面白い。美しさや強さの表現が面白い。

仙川というキャラが面白い。彼女が見ているもの。彼女が欲しいもの。彼女が本当に欲しいもの。強い衝動。

参平が仙川に惹きつけられるのは何故なのか?って何回も読みながら考えた。



コマの中に遊びが入っていて面白い。


なんなの、この作者って思う。すごいって思う。不思議なものを描くと思う。

琴線への触れ方を知っていて、それを描ける作家なのだと思う。

ユーモアの中の切なさ。切なさの中のユーモア。

誰かを必要としてしまう人の性。失ってしまったものの代わりを・・・(・・・書くのやめておこう)。

おとうさんの嬉しい事や悲しい事を

いちばんに分かち合いたい人が

詩朗さんでも乃菜でもわたしてもないのですよね

私が読書に求めるものは何だと思う?

それは、それは、それは、・・・今日は明かさない。