『知った気でいるあなたのためのポストモダン再入門』の感想

知った気でいるあなたのためのポストモダン再入門

知った気でいるあなたのためのポストモダン再入門

http://d.hatena.ne.jp/fujisawamasashi/20060714#p3の続き

三章まで読んだ。

違和感を感じた理由を考えてみる。この人が問題としていることは、たぶん私にとって問題ではない、のだと思う。この人が問題としていることは、私にとっては「解決している問題」または「時間がかかるかもしれないけどいずれ解決する問題」という気がする。そう感じるのは、たぶん、私の現状認識の甘さからくるものであるとは思うけど。私は世の中が現在行き詰っている、という認識には立てない。

イライラすることも多いけど、面白い観点はいろいろあって、勉強になる。最後までたぶん読むとは思う。でも、読んでいて、ワクワクしたり感動したりはしない。そういうのを期待するのが間違っているのかもしれないが。「解決するべき問題だ」と思っていないものの「解決策」を与えられても別にうれしかったり楽しかったりしない。問題意識を認めて、解決すべきだと思ったとしても、その解決策の紹介の仕方に成功しているのか?と言うとどうのなのかな?最低限の紹介はしたから、あとは自分で勉強しろ、ってことになるだろうね。それは前著の『知った気でいるあなたのための構造主義方法論入門』ASIN:493139129Xか。

私は、この作者が持つ"構造主義的思考"をどんどん出したほうが面白いと思う。「分類」に関することとか面白いし。作者にとっては当たり前のことで(他の本で書いたのかもしれない)、いまさら書く気にもなれないのだろうけど。

作者が紹介しているポストモダンの考え方の中には、「当たり前」って思うこともあるし、「なるほど」って思うこともあるし、「わけわからん」ってこともある。

・・・

思想というのは面白いと思う。

私の興味は、個別科学に存在する哲学なのかもしれないって思った。物理学者の哲学、化学者の哲学、生物学者の哲学とかあるだろう。そういうのに触れたいと思った。つまり、ポストモダニズムとかそういう関係の本とはたぶん距離をおくことになると思う。まぁ、もともと距離が近かったわけではないが。ただ、『知の欺瞞』を読んで以来感じていたポストモダンというものに対する胡散臭さを減らす効果はあったと思う。

・・・ってまとめに入っているけど、まだ全部読み終わっていない。