『アリスへの決別』(山本弘)

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

短編集。

やっと読めた。

いろいろ禁忌を扱っていますね。

表題作は、非実在青少年ネタ。「リトルガールふたたび」はネトウヨ（あるいは反知性主義）がネタ。作者の趣味と性癖の一端がよくわかる本。大石まさる氏の表紙がともかくエロいと思う。きっと、誰かにけんか売ってるんだな。

「地球から来た男」と「七歩跳んだ男」が好みかも。「地獄はここに」は苦手。

シーフロスが出てくる話は、SFとファンタジーの間みたいな感じ。作者は「不確定性」を使ったの作品を他にもいくつも出してますね。

昔はあんまり気がつかなかったんだけど、この作者は文章がとっても丁寧なんだよね。わかりやすい。

読んだ後に思ったのが、明るいものの中に僅かな暗いものを入れたり、暗いものの中に僅かな希望を入れるとかあると私好みかな。余韻が残るというか。ちょっと心残りがあるくらいがエンディングは良いのかな、と思うこともあったり。