北道正幸

id:fujisawamasashi:20040313#p4で触れた「ようこそ先輩」の話ですが、北道さん(http://www.h4.dion.ne.jp/~kitapage/)は自分の書いた文章を消してしまうんですよね。これを読んだのは2001年の7月ごろだから公開していたのもそのころだけかも。だから多分ネット上にはない。でも、私は偶然、その文章を保存しておいたのでちょっと引用してしまおうかなぁ、っと。著作権的にあんまり良くないかな。読んで面白かったら「スカタン天国」ISBN:4063210839い(宣伝したから許して〜)*1

ようこそ先輩

いろんなジャンルで活躍している著名な先輩達が母校を訪ねて特別授業をする『課外授業ようこそ先輩』 毎週日曜の午後6時にNHK総合で放映されているコノ番組の今回の先輩は、なんと横尾忠則さんでした。

あの横尾さんが母校の小学生に対してどんな授業をするのだろうと興味津々で観ていたのですが、その授業内容はいたって単純で美術の教科書に載っている有名な絵画の中から好きなものを選ばせ、その絵画写真をそのまま画用紙に模写するというモノでした。

「おいおい、それじゃ飽きちゃうよ、相手は小学生のガキンチョなんだから」と、おもわずテレビに突っ込んでしまう私。でも意外に生徒の児童達はコノ作業が気に入ったようで、最初は戸惑いつつも次第に模写に集中していきました。

が、それだけでは終わらせないのが横尾忠則。「完成したと思う人は見せてください」と生徒の作品を覗き込み、「だめだ観察が足りない、ココは黒じゃなくて青っぽい黒でしょ」とか「この水面のカゲは横方向に筆を動かしてマネなさい」と、なかなかOKを出してくれない。大の大人が小学生相手にダメ出しの嵐。しまいには「まだ完成してない人は納得できるまで徹夜してでも完成させて下さい」と捨て台詞を残し帰ってしまわれました。
で、その翌日の授業二日目。なんとか模写を完成させた児童に対して横尾さんは「じゃ、今度は何も見ないで昨日の絵を描いて見ましよう」と新たな課題。が、このときの生徒の集中力はすごかった。前回とはくらべものにならないスピードで筆を走らせ、さらに前回の作品よりも完成度の高い模写絵を完成させてしまったのでした。そう、何も見ていないにもかかわらず、です。

生徒達の作品のあまりの完成度の高さに驚いてしまい、この授業のテーマは何だったのかついぞ思い出せないのですが、歴代の画家達が習作として模写を繰り返していたのには、きっとそれなりに深い意味があったんだろうか、と漠然と思いました。

*1:関係者からクレームがきたら消します。