『竜神の高僧 ベルガリアード物語〈3〉』(デイヴィッド エディングス)

竜神の高僧 - ベルガリアード物語〈3〉 (ハヤカワ文庫FT)

竜神の高僧 - ベルガリアード物語〈3〉 (ハヤカワ文庫FT)

正統派というか本格ファンタジーです。一部ごとに見せ場を持ってきます。面白いです。ガリオンも魔術がだんだん使えるようになってきました。

設定やエピソードも重厚で面白いのですが、やはりキャラ同士の掛け合いもおもしろいです。

内面が描かれるキャラは主人公であるガリオンと王女セ・ネドラなんですが、子供ながら観察力や思考力があって面白いです。

多くの個性豊かなキャラが登場します。キャラ同士の掛け合いで、それぞれの個性をうまく表現している。鍛冶屋の実直なダーニクもいいキャラだなぁ。最初はただの鍛冶屋がなんの役に立つんだ?って思いながら読んでいたけど。

そしてポルガラとベルガラスとが特に厚みのあるキャラです。二人とも優秀な魔術師で何千年も生きてきました。多くの喜びと多くの喪失があったことが想定されます。ガリオンとポルガラとで狼を出現させるシーンの後のベルガラスの悲しみの表現はすごかった。そしてポルガラのベルガラスに対する叱咤。感動してしまった。あと2冊残っているわけですが、この物語の大きなテーマは家族愛なのかな、って思いました。