『羊のうた』(冬目景)
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気になってはいたのだけど、読んでいなかった本。最近やっと読めたので、感想を書きます。例によってネタバレです。
八重樫が可愛い(←またそれか)。一砂の魅力をあんまり感じられない。八重樫は一砂のどこに魅力を感じたんだ?つーか、一砂は馬鹿じゃないの?優しいのかもしれないけど、拙(つたない)い。というか、こいつ何か考えているのだろうか?感情移入がまったくできない。
千砂は一途なところがよいかな。感情移入しようと思えばできる。というか、このマンガは千砂に感情移入しないと楽しくない。八重樫は千砂の引き立て役。千砂は八重樫に一砂をとられることを恐れているわけで、やっぱり引き立て役。個人的には八重樫にもっと活躍して欲しかったな。主人公に噛み付いてもらえたから十分?
○○が死ぬことも予想していたし、○○を殺していたことも予想していました。○○も死ぬかと思ったんだけど、生き残ってしまいましたね。わたしは八重樫が不幸になるのは嫌だったからあの結末でもいいですけど、「記憶をなくす」ってあり?それって酷くない?記憶を持った上で、力強く生きて欲しいのです。その後、八重樫と一緒に幸せになるとしても、○○のことを忘れないで欲しい。八重樫には精神的にボロボロな一砂を助けてあげて欲しいし。記憶をなくせば、確かに綺麗に終わりますけどね。一砂にはそれがお似合いかなぁ。
絵は好き。かなり好みです。でも、マンガとしてはどうかな。冬目景作品はつまらないわけではないのだけど、物足りない気がしてしまうのです。もう一歩踏み込んでよ、って思います。
けっこう良い台詞もあると思います。「ふつうそんなにダイレクトに言う?」って感じのことをさらりといいますね。まぁそこが魅力でもありますが、こんな会話ありえるの?っとも思ってしまいます。内面で思うのはいいのですけど、口にだしていうかなぁ。私がもっと若ければ気にならないのかなぁ。「あなたがとっても必要」という趣旨の台詞が多いなぁ。
この「血を求めること」という設定がありますが、これはなんらかの隠喩なのかな?性衝動に近い感じ?そして、それを何故あそこまで忌避するのかな。千砂はあそこまで、一砂や水無瀬の血を飲むことを拒むの?死ぬまで拒みきることで彼女が解放される、というのもわかる気もしますが。
「好きな人に・愛している人に・大事な人に、迷惑をかけたくない・嫌われたくない・傷つけたくない・愛されたい・自分を大事に思って欲しい」というのはわかります。でも、あそこまで気にするものなんでしょうか?他者の目を気にしすぎなんじゃないのかな。わからない。「それはそういう設定だから」でもいいけどね。
「綺麗に美しく終わりにしたい」と言うのが、千砂と作者の願いなのかな。千砂は最後の方でだんだん弱っていきますが美しいままですよね。残酷な書き方ですが、個人的には肉体が少しずつ蝕まれていく様子をもっと具体的に内面で語って欲しいかな。体が蝕まれていくと、精神も同時に蝕まれていく可能性がありますが(他者を恨んだり、憎んだり、そういう自分に自己嫌悪を抱いたり)、どのようにそれに抗していくのかも気になります。
八重樫は可愛いと思いますが、あれは女性受けするのかな?微妙。八重樫の絵に対する想いをもう少し描いて欲しかったかな。ペインティングナイフで指を切ると言うのはそれだけ絵に時間を費やしているわけで、その絵に集中しているときの感覚をもっと語って欲しいな。最初の方で、一砂にモデルを頼んでいますが、彼女の絵に賭ける想いの強さがわかると、そのぶん一砂への想いの強さも際立たせることができるような気がするのです。比較的内気な彼女が一砂とコミュニケーションをとるためには、絵というツールが必要でした。モデルを頼むことは、今までの自分の行動基準に反しないようなこと。最初のほうは、できれば近くにいて欲しいな、って感じだったのではないかな。そして、モデルを引き受けてくれるってことは、少なくとも一砂は八重樫を嫌いじゃないってことをさらに確認できる。モデルを断られても、退屈な仕事だからしょうがないよね、って(落胆はするものの)諦めがつくし。でも、「一度引き受けておいて、断るのはどうなの?」って言う展開はよいですねぇ。一砂との距離感は十分書かれていると思うのですが、絵との親和性ももう少し描いて欲しかったな。・・・オタク(マニア)語りでいいから。というか、むしろオタク(マニア)語りが良い。「この画材は○○で良いんだけど、でもこんな欠点があって、・・・」という感じで。
まだ読み込みが足りないかな。駆け足で読んでしまいましたし。少し時間をあけてから再読したいかな。