『不気味で素朴な囲われた世界』(西尾維新)
- 作者: 西尾維新,TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/10
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 120回
- この商品を含むブログ (218件) を見る
以下の記述にはネタバレを含みます。直接的ではないですが。
- 前作『きみとぼくの壊れた世界』asin:4061823426URLに。http://d.hatena.ne.jp/fujisawamasashi/20060201#p1、http://d.hatena.ne.jp/fujisawamasashi/20060303#p2
- タイトルは、「ぶきみでそぼくなかこわれたせかい」ですね。つまり「きみ」と「ぼく」シリーズ。
- 『きみとぼくの壊れた世界』の語り手と、本作の語り手を対比してみるのも面白いと思う。いろいろ立ち回って世界を安定させる方向へ動く語り手と・・・。
- しかし、このタイトルはなんとも言えない。確かに、"不気味"で"素朴"。最後に明かされる、〜の意志はたいへん気持ち悪い。私とは決して相容れない。でも、たいへん興味深い。そう、種を蒔いているみたいだ。非日常へ導く種。そして、自分は常に安全側にいるところがなんとも。
- ちょっとだけ出演する黒猫さんの饒舌具合というか押し付けがましいというか不遜で倣岸で人に割りいってくるような言葉遣いも良い。
- 最初の姉弟間漫才もたいへん面白い。よく、こんなギャグというか言葉遊びを思いつくもんだ。こういう変な言葉遊びの嗜好は私にもあるが、ここまではとてもできない。というか、ぐいぐいと読まされました。というか、伏線がたくさん入っています。
- 伏線という意味では、『きみとぼくの壊れた世界』を読んでおくと最後の対話がもっと楽しめる気がする。
- 「萌え要素」(というかフェチ要素か?)と思われるものがいくつもあります。そうですかぁ、って感じ。
- 黒猫さんは「普通は、人は人を殺さない」という趣旨のことを言います。私もそう思います。だから、スタンガンで何回も・・・というのは、気持ち悪い。躊躇がなかったのかなあ。