お話 第2話 追憶

【注意】
下記文章は、2007年4月に、旧ページの内容を転載したものです。リンク先などは存在しない場合があります。また、旧サイトの構成などを知らないとわけがわからない文章なども存在します。ご了承ください。大変愚かで、頭が痛くなるような文章もあります。
それが夢だったか現実だったかはあまりよくわからない。
もう昔のことで記憶がぼやけている。
ただ、記憶という言葉が我々に喚起するイメージというものは、
悔しさ、悲しみ、喜び、喪失感、
…そんなものを伴った懐かしさ。

自分の過去を振りかえるときのみ、
人生というものが存在する。
あるいは存在するという錯覚を持つことができる。

夢でも私が体験したことには変わらない。
現実と異なるのは、他人とその出来事を共有できないこと。

私がそのとき得たものは何の役にもたたないかもしれない。
しかし、私にとっては、それが何事にもかえられない、
それと等価以上のものを発見できるという自信がない、
そういう体験だったのだ。

この記憶は私だけのもの。
それが人生の意味。