結晶は作製するものじゃない、育成するものだ

私の担当教官が言うにはそうらしいです。私は実験屋さんなわけですが、実験試料を自分で作ります。原材料を混ぜて、ある条件下において結晶が大きくなるのを待ちます。

今、作っている物質の作成方法は溶媒(エタノール)に二種類の物質を測って混ぜて、恒温槽に入れて、溶媒が揮発するのを待つ、という単純な方法なのですが、なかなか大きい単結晶が出来ません。それにどうも不純物が混じる。

で、先ほど気がついたのですが、不純物が析出するのは最後なんですよね。だから全部析出する前に残りの溶液を捨ててしまえばもっと不純物を減らせるはず!そして、もう一回溶媒を入れてとかし、再度析出させる。・・・中学生レベルかも。

そもそも原材料となる物質も100%純粋ってわけではないので、いろいろ試行錯誤しなければいけないのです。

発想自体はたいしたこと無いもののあつまり。・・・科学の営みってってどういうものなのだろう、ってたまに考える。些細な技術や心構えに支えられているものであることは確かです。

綺麗な結晶が出来るだけで楽しいのですが、私は磁性研究者(の卵)なので面白い磁性がなければいけません。私は大して頭良くないし*1、体動かさないとだめだ。一山あてるつもりでがんばる!

*1:これは卑下ではありません。事実。この業界では、ってことですけどね。