『武士道』(新渡戸稲造) 

些細な皮肉とかが面白いかな。武士道について扱っているわけであってその他の日本的な要素について知りたければ別のものを読まないといけないのでしょうね。

もう少し儒教と絡めて書いてあるかと思ったけど、そうでもないのが意外。もともと欧米で読まれることを目的としたものだからかな?孟子のラジカルなところとかには触れていますね。切腹の意味づけとかは面白かった。私は日本文化なんて知らないんだよな、ってことを再確認。というか何処の文化も知らない気がします。

ミルの功利主義とかでてきたりして、ミルってこれより前の人なんだねぇ、て思ってみたり。

皮肉というものは、諸刃の剣であるわけで、たぶんそこら辺をわかって書いていると考えるとなかなか奥が深いです。例えば宣教師への批判とかね。それはこの書物を著すこと自体と関わりを持つことだと思うし。

何故、この人はこれを書こうと思ったのかな?って少し思いました。時代背景とかよくわからないけど、何らかの葛藤は想定できますね。

説得とか理解を求めるとかは、相手の知っていることわかっていることに帰着させることなのかなぁ、って思ってみたり。体系としては武士道は消えてしまうかもしれないけれど・・・、みたいなのは面白いですね。ミーム(思考の遺伝子みたいなもの)の概念を知っているみたいで。