何ていうか、何なのでしょうか?

    ねぇ どうして 目を逸らすの
    いつも 大事なことを あなたは言わない
    私では あなたの決意は崩せない

    あなたの意思を崩したい
    心を守る多重の防御システム
    頑なさを解きほぐす力が欲しい

    過ぎ行く時は取り戻せない
    罪は罪人をいつまでも苛む
    いくら悩んでも過去は取り戻せないのに

    指と指の隙間から細かい砂が零れ落ちていくような感覚
    開かれることのない鉄の扉を叩き続ける様な感覚
    水を遣りわすれて花を枯らしてしまったような感覚


    心の一部が嘲るように笑う、
     「あぁ、おかしい、なんておかしいのかしら」
       瑣末なことに囚われるなんて

    心の一部が悲しみのために泣く、
     「どうして、どうして、あなたはいつも」
       私に本当のことを言わないの?

    心の一部が焦ってざわめく
     「この機を失えば二度と触れられないかも」
       琴線に触れられるのは一瞬だけ

    心の一部が揶揄するように嘯く
     「そんなことはささいなこと」
       相手がどれだけ自分にとって重要なのかを痛切に思い知る

    心の一部が静かに囁く
     「それを失えうことは、今までのあなたの死に等しい」
       喪失し、憎しみ、恨み、穢れ、自分がどんどん嫌なものになっていく


    何が可笑しい?
     自分が可笑しい?
      足りないものは何?
       

    あまりにも自分が見えていない
    あまりにも悲しくて
    あまりにも滑稽


    もうすこし
    もうすこしだけ
    泣いていてもいいですか

    もうすこし
    もうすこしだけ
    笑っていてもいいですか

    私が私の思考を制御する余裕ができるまで
    私が私を赦すことができるまで
    私が私を再度騙すことがないように

見続けたくないから目をそらすの。心を読まれたくないから目をそらすの。視線制御をされたくないから目をそらすのではないかと。