- 作者: スティーブンピンカー,Steven Pinker,椋田直子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/07/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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p.76にこんなことが書いてあって面白かった。
以来、ローマの始祖ロムレスとレムスから、キプリングの『ジャングルブック』に登場するモウグリまで、捨てられた野生児の話は数多い。アヴェロンの野生児ヴィクトル(フランソワ・トリュフォの美しい映画の主人公になった)や、インドで発見されたカマラ、アマラ、ラムーなど、実例もときにはあった。野生児たちは熊か狼(発見された地方の伝説で人間に好意的なほうが選ばれる)に育てられたといわれ、教科書などにもこれが事実として記載される。しかし、私には疑問に思える(単に赤ん坊がいるという幸運に恵まれながら、食べるより育てるほうを選ぶような熊は、ダーウィン流の動物界では馬鹿な熊として淘汰される側にま回るのではなかろうか。鳥がカッコウにだまされてカッコウの卵をかえすような例が、種によってないこともないが、哺乳類の仔を食べる肉食獣の熊や狼が、そこまでだまされやすいとは思えない)。
p.111の「左右対称形の動物は、左右対称性に性的魅力を感じ・・・」も面白い。
p.158の「チンパンジーは手話動作を習得していなかった」も面白い。
p.184の「進化と自然淘汰は別ものである。」あたりの言説も面白い。
p.185の「適応」という概念についても面白い。
p.258の相対主義批判も面白い。
p.261の「遺伝と環境という心を抜きにした二元論」に対する批判も面白い。
p.270の「ユニバーサル・ピープルの特徴」も面白い。
p.276の「帰納法のスキャンダル」と書いてある後が面白い。
p.279の「言語と知覚以外のモジュール」に関する箇条書きが面白い。
本当は自分の言葉できっちりまとめなおしたほうが勉強になるのだが、面倒なのでやらない。