『ハチミツとクローバー (10)』(羽海野チカ)
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/09/08
- メディア: ペーパーバック
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はぐみの台詞。もう、これで十分かと。
これ以外の人生は 私には ないの
でもでもでも・・・
〜の人生を私にください
ぎゃー。
何か「やりとげねばならないモノ」を持って生まれてしまった人間もいる。
もう、おなかいっぱいだ。
「ずっと見てるね」って言われた
この言葉の重みときたら・・・・。
「逃げないで一緒にあがこう」
こういう言葉を、言ってあげられる相手っています?
とても良い終わり方でした。
言葉が輝き、力を持つのは、その人の人生の重みがあるからです。若い人でも、何かに集中した分だけの重みを持つことができます。
目的を見出すことが、いかに難しいか。しかし、それを見出す事ができないのであれば・・・。
恋愛がテーマでもある。でも、なんだろう。これは不思議なマンガだ。
はぐみの選択。そこに働いた意志。いつか、もう少しゆっくりと考えたいと思う。
私は、強い意志が見たい。
そのためにしなければいけないことは何?って考える。
・・・
・・・
弱っているときに、自分の好きな相手に頼ってしまう。
これは物語でよくあるシチュエーションである。
でも、このマンガは何か違う。
安易さがない。
二人をくっつけるために、安易にはぐみに試練を与えたのではない。
はぐみは何が自分にとって一番大事なのかを気がつかなければいけなかった。
自身の生き方が強く関わっている。
生き方というと何か違うかもしれない。
「自分らしく生きる」とかではない。
描くことが、はぐみにとって、生きることとほぼ同意。
「私はこの条件下で生きるしかない」というのに近い。
強い束縛条件であり、彼女に、自由はない。
選べる道は最初から一つしかない。
私は、反射的に、そんなシチュエーションは嫌だ、って思う。
でも、そこに、強い意志が存在することは確か。
道を自ら選び、その選択を信じて、歩み続けることは、たいへんなことだ。
でも、選択する自由を持たず、ただそれを歩み続けなければいけない、というのも恐ろしいシチュエーションだ。逃げることができないのだから。それとも、恐ろしいということに気がつかないほど、没頭せざる得ないものなのだろうか。
わからない。
でも、すごい面白いって思った。
濃い人生から発せられる凝縮された言葉を私は知りたい。
そして、凝縮された言葉を理解するためにはそれを展開しなくてはならない。
展開するには・・・て思う。
・・・
森田は、はぐみの創作にかける情熱が失われても、彼女を好きでいられただろうか?
昔、下記リンク先みたいなものを書いたことがある。
http://d.hatena.ne.jp/fujisawamasashi/20040607#p2
私の言葉は弱いなぁ、って思うのでした。