『化物語』の感想
ネタバレ感想というか、インプレッションの羅列です。もう一度、第八話くらいまで見て、伏線がどれくらい張ってあったのかを見てから感想を書こうかと思いましたが、見る時間があるかわからないし、とりあえずアップします。
「まよいマイマイ(八九寺真宵)」
- 謎の設定としては、これが一番面白かったです。
- 「5人のヒロインの中で、どの話が一番か?」と言われると、これになります。ひたぎと暦の会話をもう一度見直したいところ。
- ひたぎの服が可愛い。
- オープニング曲が変わったのはびびった。これ、キャラ
事毎に曲変更するの?大変じゃない?けっこうアニメのクオリティ高いし。 - 出会った当初から「あなたの事がきらいです」というのはたいへん受けたんですが、それが伏線になっていて凄いなと。
- 暦と翼には、真宵が見えて、ひたぎには見えないというのが良い。
「するがモンキー(神原駿河)」
- 戦闘シーンが一番印象に残っています。
- けっこうグロイ。
- 表の意識に出てこない「本当の願い」という設定も良いですね。
- 駿河は語彙レベルが高い。持って回った言い回しというか。難解な言葉が出てくるBLを読んでいるのか?
- スポーツ少女としての性質と、BL好きな面のギャップが面白いですね。
「なでこスネイク(千石撫子)」
- 自己犠牲をしてまで、みんなを救おうとする暦とその限界。ある種の後味の悪さがうまいと思いました。
- あと一番フェティシズムっぽい。言い換えれば変態的。オープニングも可愛くて良い。私は駄洒落大好きだし。
- 撫子の私服が作中で一番可愛いかな。あとで出てくる中学の制服も可愛い。高校生キャラの制服はあんまり好みじゃないかな。ひたぎが半袖をまくっているのはちょっと良いけど。
- けっこうグロイ。最初の方とか。
- 撫子のキャラをもう少し深く知りたいかな。
「つばさキャット(羽川翼)」
- 翼の秘めたる恋がテーマで、第1話からずっとはってきた伏線が収束して良かったです。(最初の方から、絶対このキャラは主人公が好きだよな〜って思いながら見てたし)
- この話では忍野に頼らずに問題を解決できたわけで、主人公が成長しているという意味でも良かったかな。
- 忍(吸血鬼)で解決というのは有りなのかな?と見た直後は思ったのですけど。
- でも、その前に主人公は、猫を言葉で説得できているし。猫は忍が出ることも想定して暦の首を絞めているわけで、有りでいいかと。
- 翼の秘めた想いを想像しながら、再視聴するとたいへん面白いんじゃないかなぁと思いますが、それは時間があったら。
- ゴールデンウィークにストレスで猫さんが出てきますが。暦がいたから猫さんが出てきたんだろうなって思います。なんというか、暴走してもその暴走から元に戻してくれると思える人が近くにいたから暴走した。暦が近くにいなくて、暴走しなかったとしたら、翼はさらに心を病んで倒れちゃったんじゃないかな。
- 翼と暦は委員長・副委員長の関係だし、翼はゆっくり恋人関係になろうと思っていたのかな、などと想像。あるいはそういうことを諦めていた可能性もあるけど。家族についてのコンプレックスがあったと思うし。もちろん、自分が十分に魅力的であるという自負もあったと思うけどね。
- ゆっくり仲を深める、あるいは、今の状況自体が嬉しい、という感じだった。そんな状況の中、瞬時にひたぎと暦は恋人関係になってしまう(ほぼ1日で!)。
- 「自分が先に告白すれば、暦と恋人関係になれたんじゃないか?」「チャンスはいくらでもあったのに!」って鬱々とするんじゃないかな。口では、お姉さんみたいな感じで、暦を応援しているけど。
- 暦にしてるアドバイスって、自分が暦にして欲しいことだよね、たぶん。別の女の子に仮託して、自分の気持ちを語るという。悶えるシチュエーションですよね。
- 翼は、一途で孤独ですよね。
- というか、出てくる女の子が、ほぼ一途で孤独。
- まあ、好きですよね、そういうの。男の子は。
- ひたぎは、思いをけっこうダイレクトに言います。秘めた想いがないわけじゃないけど。自分の利のために、直接的に行動する。優柔不断な側面を持つ主人公にはお似合いかも。
- 翼はダイレクトに自分の利益のために行動できないんですね。自分の気持ちを抑圧してる。それに対応する怪異があの猫なんでしょうね。
- 暦は優柔不断な側面を持ちますが、やると決めたら突き進むので、そこらへんも翼が暦を好きになった理由なんじゃないかな。
- 暦は大事な人を守ろうとするときに、一番力を発揮するタイプかな。
- 翼のお洒落した私服姿がみたいです。
- 翼のオープニングのアニメが二種類あります。片方がエロいです。いいんですかこれ。(→無問題)
- エピソード的には、「つばさキャット」その2(12話目)のひたぎと暦の夜のデートの話が好きです。ひたぎが自分の精一杯を出そうとしているところが良いです。エンディング曲との絡め方とかもうまい。
- ひたぎは毒舌ばっかりだけど、信頼関係に由来する毒舌だと思う。暦をほぼ全面的に信頼してる。自分を裏切ることはないと思っている。ただ、他の人の為に命を投げ出しちゃう可能性はあるだろうとは思っているだろうね。試すという側面もあると思うけど。相手からいろいろ引き出したい、相手のことを知りたいとかも。二人の間の馬鹿馬鹿しくて素敵な応答をずっと聴いていたい。
- けっこう深夜に見てて、11話目を見てたら、次で終わりって言ってたから、夜遅いけど最後まで見るか、とか思ってたら。15話目まであって、ちょっと予定が狂いました。(^_^;)
全体を通して
- 傷ついた女の子を癒してあげるお話。
- このシリーズは基本的に、問題は完全には解決されないのですよね。怪異の害に関してはなんとかなるけど、現実世界の問題はなんともならない。いろいろ問題を抱えたまま。安易にハッピーエンドにはしない。
- でも、怪異を介して人が繋がり、すこしずつそれぞれのキャラが成長し、幸せへの道を歩んでいきます。それが人気の秘密なのかな?って思いました。
- 時々入る文字が読めない。録画あるいはDVD等を止めながら見るのが良いのかな。
- あとエロいのは大事だなーて思いました。中高生向けエロで、それが一番良いですね。なんというか微笑ましい。主人公がどぎまぎしていて。元が青春小説(?)みたいだし。
- 女の子が基本的にリードしているかな。主人公は女性からの好意に気がつかない鈍感だし。女の子の方から積極的にアプローチしている気がする。(「困っている女の子→主人公が助ける→女の子が積極的に関わってくる」の流れ)
- 別の漫画の絵柄を真似た一枚絵がいろいろ面白い。
- 『君と僕の壊れた世界』や『クビキリサイクル』の主人公と暦とは似てますね。基本は受け身であること。仲間のために自己犠牲をする。周りの人から好かれる(けれど、好意にはあまり気がつかない)。言葉は時にシニカルだけど、行動は基本的に誠実。ボケもするけど、基本的にツッコミ。
- 『君と僕の壊れた世界』や『クビキリサイクル』では、主人公の両親は出てこないのですよね。基本的に孤独。『化物語』も現時点では両親は出てきません。主人公は優しいですけど、どういう環境で育ったのかなって思いました。命を投げ打つような、自分の生を軽んじるような、ある意味自傷行為に近いことばかりしてますね。何かを守る行為によって、自分が生きていると実感できるのかな。
- まあ、そういうキャラだから、モテモテなのかも。
- 忍野めめは面白いキャラですね。一見軽薄な感じだけど、胡散臭いものに近づかない方が良いよ、って事を態度で示しているようにも見える。
- 怪異との付き合い方を、暦に何度も言っているのも面白い。
- このキャラは、暦が好きなんだろうなって気がする。若い頃の自分を見ている感じなのかな。
- 暦を丁寧に指導・教育してるよね。荒っぽい実践教育にも見えるけど。
- まず、カニの時のような重い問題に関しては、自分でやって見せてる。
- カタツムリの時のような比較的軽い問題の時は、アドバイスして、フォローする人を付ける程度に留めている。そして、怪異にあった暦自身のことについて考えさせている。
- サルの時は、怪異に触れることの危険性を体で実感させつつ、きちんとフォローしてあげてる。
- ヘビの時は、重い問題だけど、ノウハウを教えてフォローする人を付けて、暦のその時点でのできることの限界について理解させてる。怪異に関わる事の後味の悪さみたいなのも理解させている。ついでに、怪異を掴むということがこの時点で暦はできるようになっており、明らかに成長してる。
- 猫は本気で暦を殺せないと知りつつ、忍のサポートもあると見て、全てを任せている。
- あまり怪異に近づかない方が良いと諭しつつ、近づく理由があり覚悟があるのであれば、きちんと教える感じ。
- 最後の方で四人が「忍野はやさしい」っていっているけど、そういうのも関係していると思う。
- 照れ屋でクサイ場面が苦手なのかなとも思う。
- 演出が凝っていていろいろ面白いです。扱っているテーマはけっこう暗いのに、掛け合いで楽しい気分になれます。見た後にポジティブな気分になれる。
- 各キャラクタのテーマ曲や、エンディングのアニメはキャラ事に変わるから、視聴を飛ばせない。曲が本編と凄い関わりを持っているから、きちんと聴かないともったいない。丁寧な作り。
とりあえず、このくらい。