『キリンヤガ』(マイク レズニック)

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)

古典的な造りのSF。といっても古典的なSFを私はほとんど見ていませんけど。

何で古典的って感じたかというと重厚な世界観ですね。きっちり世界を作ってその中でいろいろシミュレートしている。その条件設定下では、起きてもおかしくないことが起こる。

面白い。うっとりしてしまう。良質な時間が過ごせました。


主人公で語り手である老人の限界こそが、未来への希望だと思った。人間は豊かな生活を求めざる得ないのだ。とっても単純なことだけど、たまに忘れてしまう。



箱庭の中の世界。でも、それを現代の世界に当てはめることができます。SFにしろファンタジーにしろ、われわれの今住む世界を思い返させてくれる種のものが私は好きです。