カワイイコビト
小人・・・。 私が小人に気がついたのはいつごろだろう。 小さい頃は気がつかなかった。 15歳を過ぎた頃から、視界の端々に 何か黒い影のようなものが見える気がした。 だんだん後姿が見える時が多くなり、 最近は声を聞くこともできるようになった。 何を言っているのか? 彼(か)の者がのたまうは人への呪い。 こちらがドキッとするようなことをボソッという。 それは醜い者、汚い者、愚かな者への侮蔑の言葉。 それは私の心の中にないとは言えない言葉たち。 自分というものはこんなものだなっ、ていうゆるい想定を 電動のこぎりで解体してしまうような。 そんな言葉を吐く。 でも、私は、 そんな暗い小人たちの言を聞く事を どうしてもやめることができない。